Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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おじょろうぐも

お女郎蜘蛛

宮本 百合子

Leggi お女郎蜘蛛 (おじょろうぐも) di 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 12.913 caratteri · 26 schermate

Aozora Bunko

「そんないやらしい事ばっかり云わないもんだよ、私は段々お前がこわくなって行く。逃げ出したいと思ってるだけど私はどうしたものか手足を思う様に動かす事が出来ない。私しゃ心から御前に惚れてるんだろうか、それでなけりゃあいつでも私はにげられるはずだ」

「そんな事どうだってようござんすわ、私の体からしみだすあまったるいどくにあんたはよっぱらって身うごきが出来ないんです。あんたが逃げたって必して逃げおおせないと云う事を私は知ってますわ……」

「私がもしにげおおせたらどうする?」

「それじゃ今日っから蛇に見込まれた蛙がうまくにげ失うせるか見込んだ蛇の根がつきるか根くらべをして見ようかしら。

見込んだ蛇は死んでも蛙をのむと云う事は昔からきまってる……」

女は前よりも一層ひやっこい眼色をして云った。

「そんなことするにはまだ私はあんまり若い、やめようもう、あんまり先が見えすいて居ていやだから……」

男はかるく震えながらこんな事を云った。

女はいかにも心からの様に笑って立ち上った。その襦袢の上にお召のどてらを着て伊達をグルグル巻にして机の上に頬杖をついたお龍の様子をその背景になって居る地獄の絵と見くらべて男はそばに居るのが恐ろしいほど美くしいと思って見た。