Classici giapponesi con furigana
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おちょうふじん
お蝶夫人
三浦 環
Leggi お蝶夫人 (おちょうふじん) di 三浦 環 (みうらたまき) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 123.730 caratteri · 242 schermate
第二部
一 わが母
けれど、なんど読み返しても「マサタロウシス」です。ああ三浦は私の帰るのを待たず、死んでしまった。さぞ私に逢いたかっただろう。その晩、私はホテルで泣きあかしました。後で知ったのですが、三浦は急性腹膜炎であっけなく逝ってしまったのでした。
私の帰りを待っていてくれる三浦が死んだのでは私は日本へ帰ってもしようがない。プリマドンナとして、オペラをうたい続け、すこしでも世界中の人々を悦ばせるのが死んだ三浦へ対する一番いい追善供養だ、私はホノルルからまたアメリカへ引返して「お蝶夫人」をうたい続けました。
第二部
一 わが母
昭和十九年三月三十日、私は住み馴れた東京を後に、富士、山中湖畔の、山梨県南都留郡中野村平野、長田源長氏の離れ家に、トラック一台にピアノ、箪笥等をはじめ、外国での新聞の切抜も楽譜も、真田幸村の鎧も、「お蝶夫人」の衣裳もつみかさねて、春とはいうても雪が強く、とても寒い日に疎開して来た。
翌朝起きて戸を開けた時、富士山はちょうど私を両手にひろげて迎えて下さったように、美しい白い姿がくっきりと、晴れ渡った青い空にやさしく見えていた。
私は母を一番先にここに疎開させたかったけれど、東京に六十年も住んで来た母は、なんというても東京をはなれたく思わないで、汽車の切符を三度も無駄にしてやっと六月の末になって、二人の