Classici giapponesi con furigana
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『このこころのほこり』
『この心の誇り』
宮本 百合子
Leggi 『この心の誇り』 (『このこころのほこり』) di 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 8535 caratteri · 17 schermate
「この誇らかな心」を読むと、アメリカの社会が、女にここまでつよく生きさせる可能を与えている一方に、なおこのような小説をパール・バックにさえかかせるような女としての苦悩の要因をふくんだ習俗におさえられている社会であること、女に生れたことをくやむ言葉が女への讚歎として男の唇から洩されるようなおくれた社会であることを、新しいおどろきとともに思いかえすのである。そして、女らしいとか女らしくないとかいう通俗のめやすから苦しみを感じさせられている私たち日本の女の経ている現在の段階にも思いがひそめられる。
「この心の誇り」という題で(実業之日本社、定価一円五十銭)鶴見和子氏がパール・バックのこの作品の抄訳を出している。パール・バックに会って、芸術家としての彼女の真摯な態度にうたれたこの若い日本の淑女は、作品の訳者として或る意味ではふさわしい人であったろう。抄訳であることは残念だと思う。生活に追われていない令嬢の一人として、せめて、根気よく完訳されたらよかったと思う。それから、序文のなかで、ところどころに「自分の感想を加え、原文と異っているところもあるが」と云われていることも、目的は日本の読者にわかりやすいためという気持からとはいえ、やはり余り有益なことでもないと思う。