Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
だいこん
だいこん
久生 十蘭
Leggi だいこん di 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 153.732 caratteri · 303 schermate
「あなたいったいどこにいらしたの。ほんとうにふしぎなひとだわ」
パパがいつになくおどけた調子でいった。
「頬っぺたに籠目のようなものがついている。だいこんのことだから、そのへんの野菜籠の中にでもいたんだな」
あたしはあわてて頬っぺたを撫でながら出鱈目をいった。
「昨夜は盛会でしたね。すごいお夜食で、ノアイユ伯爵夫人の夜会のようだったわ」
ママがパパと眼を見あわせながらいった。
「あなたには結構すぎるくらいだったでしょう。そんな赤いロオブでうろうろしていると馬鹿だと思われるから、急いで表町へ行ってお着換えをしましょう。茶話会はもうすんだんですから、夢を見てるみたいな顔はやめてください。さあ、お仕度はいいの」
お着換えをしに表町へ行くと、刀自さまが転がるように玄関へ出ていらした。
「すみましたか」
パパが震えるような声でいった。
「ご安心ください。日本は残りました」
お着換えをすませると、朝食をいただいて鎌倉へ帰ったが、もしそれが成功したら、あの方のご苦心の甲斐もなく、あたしたちの命どころか、〈陰険国日本の常套手段たる裏切〉とみなされ、あの方も国民もみな同腹だったことになって、日本人の大部分がアトムの煙と消えてしまったかもしれない二十日夜のクウ・デタの真相を、昨日の朝、Sさんからくわしくきいた。