Classici giapponesi con furigana
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だいこん
だいこん
久生 十蘭
Leggi だいこん di 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 153.732 caratteri · 303 schermate
そのびっくりしたような顔があたしの自尊心を傷つけた。このひとはあたしのことなんかてんでかんがえていなかったんだ。あたしが大きな声でいった。
「あなた、さっき一分間に六十回まわる自信があるといったでしょう。さあ廻りましょう。あたしだったら八十回だってまわってみせるわ」
飛行長がしぶしぶ立ちあがった。はじめはへんなものだったけど、アダプシォンの才があると見えて間もなくリズムに乗ってきた。あたしがたずねた。
「面白くって」
飛行長がむずかしい顔でこたえた。
「面白すぎるようです」
なんのこともなくつまらなく〈青いダニューブ〉が終ってしまった。椅子へ帰ると、とぼけた顔をした若い水兵さんがナイスなお嬢さんに捉まりにきた。
「ダンス、おねがいします」
いぜん家へ出入りしていた魚定の若いひとによく似ている。あたしはうれしくなっていった。
「さあ動きますよ。しっかりつかまってちょうだい」
水兵さんが泣きだした。
「どうか、もうすこし、ゆっくり……歩かせていただくだけで、結構ですから」
椅子へ帰るとすぐ、
「ねがいます」
顔にうぶ毛の生えたべつな水兵さんがやってきた。あたしぐらいのところが、ちょうどつかまえ加減なのらしい。