Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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だいこん

だいこん

久生 十蘭

Leggi だいこん di 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 153.732 caratteri · 303 schermate

Aozora Bunko

ヴェランダには大橋さんと鳶の頭。ハルモニュウムを奏く役のおチビさんが、あるかなきかの葵色を忍ばせた、オゥジエさんの口癖の〈夢のようなお感じ〉をだしたフロックを着て、珠子さんや山チイと並んで掛けている。

式場へ行ってみると、白布をかけた簡素な台の上に、満寿子さんの魂代をおさめたれいの鋳金の筐を置き、大輪の白菊を一本、茎のついたまま横にして載せてある。シゴイさんの霊はどんな恰好をしているのだろうと思って、筐の蓋をあけて見たら、海泡石のパイプが満寿子さんの遺書と仲よく同居していた。シゴイさんが命から二番目ぐらいに大切にしていたパイプだから、魂のかわりぐらいにはなるのかもしれない。

おチビさんがあたしを見つけて式場へ入ってきた。

「もうはじまるわ。それはそうと、だいこん、あたしのきょうの服、どう思う」

「オゥジエさんだね。夢のようなお感じがよく出ているよ。おチビさん、生きていてよかったね。そんなうれしい目にもあえるんだから」

「でも、これからがたいへんなんですって。こんなことをするのも今日きりかもしれないわね。間もなく食べるものがなくなって、餓死するかもしれないって、長謙がいったわ」