Classici giapponesi con furigana
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だいこん
だいこん
久生 十蘭
Leggi だいこん di 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 153.732 caratteri · 303 schermate
めずらしそうにいうことはない。毎日逢ってるじゃないですか」
「朝食会だけはよくお精が出るのね」
「いや、これはやられました。でもあなたさまの〈ぽるとがる文〉ほどじゃないよ。シゴイさんが復員したら、またうるさいことになるね。ときにご愛人からおたよりがありましたか」
「あいかわらずあなたのお饒舌箱はうるさいのね。ちょっとのあいだゼンマイをゆるめておくわけにはいかないの。満寿子さんの遺書を読んでるんですから、邪魔をしないでちょうだい」
「おどろいたな。それが遺書なの」
書置というから封筒に入った手紙だと思ったら、ちゃんと装釘がしてある。雲母のように光る白銀色の押革を表紙にして、四つ隅と背に海緑色のモロッコ皮をつけたぞっとするような美しい装釘だ。長謙さんの仕業だ。これにヒヤシンス石でも象篏してあったら、さしあたり七万五千弗の口だ。
あたしがまたいった。
「ずいぶんきれいな書置だ。あたしも読んでいいんだね」
「だめなのよ。あなたは会友だから見せられないの。あなたのような子供が読んだって面白いようなもんじゃないわ」
「そうなの。面白くないならやめておく。そんなものどうだっていいとして、あたしがもらったルロンのハンド・バッグのことですが、まちがってそちらさまへまいっておりませんでしょうか」