Classici giapponesi con furigana
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ちいさこべ
ちいさこべ
山本 周五郎
Leggi ちいさこべ di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 33.480 caratteri · 67 schermate
と云いながら、のべてある夜具の脇へ坐った。
「いいえ云います」とおりつは前掛を膝の上へおろしながら云った、「あなたは仏壇に構うなと云って閉めたまま、お線香も水もあげないし、命日が来ても供養もしない、そんなことってありますか、あの仏壇の中にあるのは、あなたのふた親のお骨ですよ、葬式も出さず、お寺へも預けないんなら、せめてお盛物をあげるとか、燈明やお線香ぐらいあげるのがあたりまえじゃないの、――それさえもしないでいて、倉さんや銀さんの法事をするなんてあんまりだわ、それじゃあお父さんやおっ母さんに対してあんまりじゃないの」
おりつはまた前掛で顔を掩い、肩をふるわせて嗚咽した。茂次は頭を垂れ、暫くおりつのすすり泣く声を聞いていた。
「これだけは黙っているつもりだったが、云っちまおう」とやがて茂次が低い声で云った、「おれが仏壇を閉めたままにして置くのは、おやじやおふくろを仏あつかいにしたくないからだ」
おりつの嗚咽が止った。
「ばかげた子供っぽい考えかたかもしれないが、おれにはどうしても、おやじやおふくろが死んだものとは思えない、あそこに骨壺が二つあるからには、死んだことに紛れはないだろう、生きているとは思わないが、仏になってもらいたくはないんだ、おれが大留を立て直すまで、元のおやじとおふくろのままで、あそこからおれを