Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ちくしょうだに

ちくしょう谷

山本 周五郎

Leggi ちくしょう谷 (ちくしょうだに) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 69.788 caratteri · 138 schermate

Aozora Bunko

帯刀は旅嚢の中から手紙を取り出した、「きいから預かって来た、小一郎の手紙もあるそうだ」

隼人はそれを受取って、封を披いた。

あによめの手紙は簡単な時候みまいで、この十七日は亡き良人の一周忌に当るが、お咎めを受けている身の上だから、法要もごく簡略にするつもりである、ということが付け加えてあった。小一郎のは仮名書きであったが、墨をたっぷり含ませた筆で勝手に書いたらしく、字と字がくっついて紙面がまっ黒になってい、殆んど判読することさえできなかった。

「読みかたはおれが教わって来た」と帯刀が側から云った、「こう読むんだ、――叔父さんは山の中で淋しくないか、小一郎は昨日は晒し飴を五つと饅頭を三つと、そのあとに、えーと、というのがはいるんだ、それから煎餅を七枚と芋の田楽を喰べました、もし山の中にも飴や饅頭があるなら、小一郎も叔父さんのところへゆきます、今日は饅頭を三つと、――五つかな、晒し飴を十と、ええばかばかしい」

帯刀は片手を振りあげた、「まあそういった文面だそうだ、ぜひおれにこう読めと云うもんだから読んだまでだが、われながらばかなはなしだ」

「それほどでもないさ」