Classici giapponesi con furigana
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ちくしょうだに
ちくしょう谷
山本 周五郎
Leggi ちくしょう谷 (ちくしょうだに) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 69.788 caratteri · 138 schermate
しかしこの男の立場は非常に困難だ。彼の上司だから、自分にもむろん責任がある。自分は責任をとるけれども、その男の将来を考えるとまったく心が昏くなる。金は多額だが、返済の方法がないわけではない、問題はどうしたらその男を破滅させずに済むかということだ。これはまだ誰にも話していない、おまえだけに云うのだからそのつもりでいてくれ。どういうわけでおまえだけに伝えたかということはわかってくれると思う。――大体こういう意味のことが書いてあった。
帯刀は読み終った手紙を、膝の上にひろげたまま、眼をみひらいて隼人を見た。
「終りの文句はおれにもわからなかった」と隼人が云った、「おれにだけうちあけるという理由はなんだろう、考えてみたが見当がつかない、そのまま忘れていると、兄がはたしあいをして死んだ、という知らせを受取った、それから帰藩の沙汰があって、国許へ帰る途中ふと思いだした、――丹後さま騒動のとき、おれは同志三人と相談して江戸家老を斬ろうと計り、家を出奔しようとしたところを兄に捉まった」
そのとき自分は十七歳、剣術には自信があったし、向う見ずな乱暴者で、藩家のために一命をなげうつという壮烈な意気に酔っていた。