Classici giapponesi con furigana
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しゅんきんしょう
ちくま日本文学014 谷崎潤一郎
谷崎 潤一郎
Leggi ちくま日本文学014 谷崎潤一郎 (しゅんきんしょう) di 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 85.196 caratteri · 169 schermate
余る長い巻紙の上に浮かんだ。文の言葉や仮名づかいには田舎の婆が書いたらしい覚つかないふしぶしも見えるけれども、文字はそのわりに拙くなく、お家流の正しい崩し方で書いてあるのは、満更の水呑み百姓でもなかったのであろう。が、何か暮らし向きに困る事情が出来て、娘を金に替えたのであることは察せられる。ただ惜しいことに十二月七日とあるばかりで、年号が書き入れてないのだが、多分この文は娘を大阪へ出してからの最初の便であろうと思われる。しかしそれでも老い先短かい身の心細く、ところどころに「これかかさんのゆい言ぞや」とか、「たとえこちらがいのちなくともその身に付そい出せいをいたさせ候間」などと云う文句が見え、何をしてはならぬ、彼をしてはならぬと、いろいろと案じ過して諭している中にも、面白いのは、紙を粗末にせぬようにと、長々と訓戒を述べて、「此かみもかかさんとおりとのすきたる紙なりかならずかならずはだみはなさず大せつにおもうべし其身はよろずぜいたくにくらせどもかみを粗末にしてはならぬぞやかかさんもおりとも此かみをすくときはひびあかぎれに指のさきちぎれるようにてたんとたんと苦ろういたし候」