Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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つぼみ

つぼみ

宮本 百合子

Leggi つぼみ di 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 21.918 caratteri · 44 schermate

Aozora Bunko

斯う云うひややかな情ない声が、まだ十二にほかならない長次の体をつつんで居た。学校に行っても二こと目には「芸人の子」が出かけていじめられて居てもたれ一人味方になって呉れる人もない中でまっさおなかおをして唇をかんでポロリポロリと涙をこぼして居るのを意地悪の子供達はまわりにたかってヤンヤとはやして居る事がたびたびあった。学校がひけてあとも見ずに大河端にある家の格子の内に入ってからそう云う時にかぎって「只今」もしないで二階に上ってピッシャリと障子をしめてしまう。それから思い出したようにいかにもくやしそうに肩をふるわして泣いて居る。なきじゃくりながら、

「何故生んで呉れたんだ、何故生んで呉れたんだ」

親をうらむようなことを度々云って居た。散々ないたあげく母親が弟子に稽古をつけて居る三味の音に気をとられて小声で合わせたりなんかして悲しさを忘れては、

「又あした」

こんな事を思うと急に暗いかげがさしてだまり込んで淋しいかおをして居るのがふだんであった。

其の日も下駄を格子の外と内にぬいで稽古をつけて居る母親なんかには目もくれずに二階に上ってしまった。

「又いじめられたんだ」