Classici giapponesi con furigana
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つぼみ
つぼみ
宮本 百合子
Leggi つぼみ di 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 21.918 caratteri · 44 schermate
赤鬼はしばらくしてから船に腰をかけて煙草をのみながら歌をうたい出した。
「御ひょろたかアしまア、まこものーなアかでエ
あやーめさくとはー しおらしーい」
歌も古いし人も古いけれども、その歌だけは新しい力のある、いきな声である。川の面をすべって線路を越えて海のあっちの方ーへとんで行ってしまった。
その声にひきつられて自分の心もあっちの方へ行ってしまったが声の消えたと一緒になげかえされたようにはっきりした私は今更らしく、その美しい声を出した口のあんまりしわくちゃでつっぱいものをたべた時みたいにキューッとして居るのをびっくりした気持で見た。
御じいさんに見とれて居る内にすっかり日が落ちて、細いその上を指で一なでしたら消えてしまいそうな御月が、
「わたしゃ、もさっきっからここに居るのに」
と云ったようにものほしのわきにちゃんと見えて居た。
御台場はぼんやりかすみはじめて雲の山はうす紫に青い海は前よりもあおく、みちしお力づよさと、気持とがその一うねりの波間にもこもって遠い遠い沖の方から段々こっちにこっちにうねって来る。
芸人の子
「何んだ、高が芸人の子じゃあないか」