Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ばちあたり

ばちあたり

山本 周五郎

Leggi ばちあたり di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 22.391 caratteri · 44 schermate

Aozora Bunko

彼は重たげに頭を振り、べそをかくような顔つきで云った、「あんたたちにはわからない、あんたたちにはなんにもわかっちゃいないんだ」

「よせよ」と啓三が云った、「芝居のせりふみたいじゃないか、いったいおれたちがなにを知らないっていうんだ」

「なんども云ったじゃないか」敏夫の声がふるえだした、「ぼくは独りでかあさんを葬むりたいんだ、ぼくはかあさんと約束したんだ、死んでも湯灌なんかしないでくれ、誰にも体を見られたくない、ぼくにさえ見られたくないって云ったんだ、通夜もぼく一人だけでしてくれ、誰にも通夜はしてもらいたくない、そのまま焼いて骨にして、その骨は山でも野原でも、どこでもいいから撒きちらしてくれ、きっとそうしてくれって、いくどもいくども約束させられたんだ」

敏夫の眼から涙がこぼれ落ちたが、彼は拭こうともせず、こぼれ落ちるままに言葉を切った。姉は呆れたような眼で私を見た。私は感情が顔にあらわれるのを、けんめいに抑えるだけで精いっぱいだった。

「あたしにはわけがわからない」と姉が云った、「そんな話しってあるかしら、健さんあんたどう思って」

「わかりませんね」と私は答えた。