Classici giapponesi con furigana
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ばちあたり
ばちあたり
山本 周五郎
Leggi ばちあたり di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 22.391 caratteri · 44 schermate
六
おふくろに苦労ばかりかけて来ました、弁解なんかしません、ぼくは本当にしようのない野郎ですよ」
姉が私の顔を見た。
「ほう」と啓三が片手をひらめかせて云った、「どうやら一席ぶつつもりらしいな、拝聴しようじゃないか」
六
「一席ぶつなんて不遜なもんじゃない、慎しんで申上げるというわけですよ」
「やってくれ」と啓三が云った、「おふくろもいっしょに聞くだろう、拝聴するよ」
「そんなに開き直るほどのことじゃないさ、ぼくはおふくろに苦労させたけれど、それで自分が甘い汁を吸ったわけじゃありません、あんたたちにはわからないかもしれないが、おふくろはちゃんとわかっていてくれましたよ」
「まあ一杯やれよ」と云って、啓三が彼に酒を注いでやった、「御高説はうかがうが、鱈の刺身の味がおちない程度にたのむぜ」
「サンキュー」と敏夫は盃を額まであげ、歯を見せて微笑しながら云った、「本当はそれほど云うことはないんだ、おふくろが死んだ、ぼくも全巻の終りだっていうことです、――息をひきとるまえにね、あたしが死んだらおまえはどうなるだろうって、おふくろが云って、涙をこぼしました、ぜんぜんそのとおりです、おふくろに死なれてどうしようがありますか、ぼくは全巻の終りです」