Classici giapponesi con furigana
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ひとでなし
ひとでなし
山本 周五郎
Leggi ひとでなし di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 18.484 caratteri · 38 schermate
ような声がもれ、それがくすくす笑いになり、こんどは声をあげて、顔を仰にしながら笑いだした。
「よせ」と大きいほうの男が云った、「その笑いかただけはがまんがならねえ、おい、よさねえか」
痩せた男は笑いやめた、「おちつけよ」と彼はなだめるように云った、「そいつはいい話だ、あれが津ノ正の後妻にはいるとは、いや、笑やあしねえ、いまちょっとこう思ったんだ、捉まえてみたら鴨が葱を背負ってたってな、吉の字、おれたちはいい旅ができるぜ」
「どういうこった」
「津ノ正の康二郎は昔からあいつが好きだった、あいつのためならどんなことでもするだろう、おれが石川島の寄場へ送られるまえ、まだあいつと世帯を持っていたときにも、津ノ正はおようのやつにひかされて、ずいぶんおれの無理をきかずにはいられなかったもんだ」
「おめえ津ノ正の主人てのを知ってたのか」
「そうか」と痩せた男は伴れの問いには構わず、独りで頷きながら云った、「こいつは二重の拾いものだ、そうだろう、康二郎は用心ぶかいうえに辛抱づよくって、どんなことにも大事をとる男だ、それがあいつを後妻にするというのは、おれが死んじまった