Classici giapponesi con furigana
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へちまのき
へちまの木
山本 周五郎
Leggi へちまの木 (へちまのき) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 29.120 caratteri · 58 schermate
「あんまり飲んじゃだめだって云ったのに、こんなに飲んでばかりいるといまに躯をこわしちゃうわよ」
「痛いな」と房二郎は云った、「けれども、男にはね、死ぬほうがよっぽど楽だっていうときがあるんだよ」
「女にはそんなときがないとでもお思いですか」
「痛いな」とまた房二郎は云った、「私は世間を覗いたばかりで、自分のことだってよくわからないんだから」と云って彼はてれたような顔つきになった、「――ゆうべはよっぽどおそかったんですか」
「覚えていらっしゃらないの」
「売り子の段平と久兵衛がいっしょだったんで、知らないところを引廻されたものだから、いつどうして帰ったか覚えがないんだ」
おるいの顔に嬌かしい微笑がうかんだ、「売り子っていうのはやくざなかまの人なんでしょ」とおるいが云った、「まさか悪いところなどへいったんじゃないでしょうね」
「そんなことはないさ」房二郎は顔をそむけた、「尤も、酔っていたから、どんなところを廻ったかよくはわからないがね」
「女がいたんじゃないの」とおるいはさぐるような口ぶりできいた、「女のひとと浮気をしたんでしょ」
「顔を洗おう」と云って彼は起きあがった、「そう休んでばかりもいられないからな」