Classici giapponesi con furigana
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ほととぎす
ほととぎす
堀 辰雄
Leggi ほととぎす di 堀 辰雄 (ほりたつお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 30.252 caratteri · 60 schermate
その三
私はそういう一見何んでもないように見える事のために、思いがけないほど自分の心が揺らぎ出しているのを、しょうことなく揺らぐがままにさせていた。……
その三
頭の君はそんな事があってからも、私がそれをそれほど苦にしていようとは夢にもお知りなさらない風に、相変らず、何かと道綱のところに来られては、撫子の事で同じようなことのみ道綱を仲にして私に言ってお寄こしになっていた。
私も、さりげない風をして、「姫はまだ小さいから――」と同じような返事ばかり繰り返させていた。それに丁度道綱がこんどの賀茂祭の御祓には使者に立つ事になっていたので、何かとその支度をしてやらなければならないので、私はそれをいい事にその方にばかり心を向け出していた。自然、撫子の事やなんぞで何んのかのと私をお苦しめになられる、頭の君の上からは心をそらせがちだった。――頭の君も頭の君で、毎日のように、役所の往き帰りに道綱のところに立ち寄られては、何かと先輩らしく世話を焼きながら、御自身は御祓の果てる日を空しく待たれているらしかった。
ところが或日、道綱は、往来で犬の死骸を見かけたと言って出先きから戻って来た。