Classici giapponesi con furigana
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みなかみきこう
みなかみ紀行
若山 牧水
Leggi みなかみ紀行 (みなかみきこう) di 若山 牧水 (わかやまぼくすい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 102.087 caratteri · 203 schermate
何しに、どうして来たのかと彼は問うた。実は私の此処に来たのはひどい気紛れからで、胃腸病には日本一だというその山奥の白骨温泉に一箇月間滞在の予定で遥々駿河の沼津からやって来て居り、その帰りを長野市に廻って其処で我等の社中の短歌会を開く事になっていた。その歌会までにあと六日七日というところまで来ると、じいっとその寂しい湯の中に浸っているのがいやになった。そして順路を長野市まで出るより、四五日をかけて飛騨から越中を廻って其処へ出る方が面白そうだと急に白骨を立って斯んな所まで来たのであった。
で、頻りに滞在を勧める彼の言葉をも日数の上からどうしても断らねばならなかった。そして明日早朝出立だと云い張っていると、彼は不意に怒った様に立ち上った。そしていま取り寄せたばかりの膳を突きやって、それでは斯うして宿屋の酒など飲んでいられない、さア、速く立ち給えという。
それからが大変であった。此処の家は高山一の老舗で、娘は歌も詠むし詩も作ると云って一軒の料理屋に連れて行かれた。やがてすると、高山一の庭のいい家を見せようと云って、その歌を詠む娘や芸者たちを引率した儘また他の料理屋へ行った。