Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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たにしのしゅっせ

むかし むかし あるところに

楠山 正雄

Leggi むかし むかし あるところに (たにしのしゅっせ) di 楠山 正雄 (くすやままさお) in giapponese con furigana. JLPT N3. Tocca una parola per il significato.

N3 · intermedio · kanji e kana moderni · 13.919 caratteri · 29 schermate

Aozora Bunko

ですが、あなたがもういちどりゅう宮へ帰ってきたいとおぼしめすなら、どんなことがあっても、けっしてこの箱をあけてごらんになってはいけません」

と、くれぐれもねんをおして、玉手箱をおわたしになりました。浦島は、

「ええ、ええ、けっしてあけません」

といって、玉手箱をこわきにかかえたまま、りゅう宮の門を出ますと、乙姫さまは、またおおぜいの腰元をつれて、門のそとまでお見送りになりました。

もうそこには、れいのかめがきて待っていました。

浦島はうれしいのとかなしいのとで、胸がいっぱいになっていました。そしてかめの背中にのりますと、かめはすぐ波を切って上がって行って、まもなくもとの浜べにつきました。

「では浦島さん、ごきげんよろしゅう」

と、かめはいって、また水のなかにもぐって行きました。浦島はしばらく、かめの行くえを見送っていました。

四

浦島は海ばたに立ったまま、しばらくそこらを見まわしました。春の日がぽかぽかあたって、いちめんにかすんだ海の上に、どこからともなく、にぎやかな舟うたがきこえました。それは夢のなかで見たふるさとの浜べの景色とちっともちがったところはありませんでした。