Classici giapponesi con furigana
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わかむらさき
わか紫
泉 鏡花
Leggi わか紫 (わかむらさき) di 泉 鏡花 (いずみきょうか) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 37.708 caratteri · 75 schermate
」
「はい。」と猶予らわず答えたのである。
夫人はやや言急に、
「じゃあ、お前、盗賊が好なの、悪いこととは思わないの。」
「いいえ、盗賊することも、する人もいけませんけれど、だって、あの方なんですもの。そしてもう、もう私、おかみさんになりました。」
と、身の置所なさそうに、この時ばかりはおろおろして、
「もう他に、他にお嫁入する処はないんですって。」
「誰が、誰がそういいます。」
「おじいさん。」
「おじいさん、お前には御両親、おとっさんもおっかさんもないのだってね、おじいさんは何なの、その人が盗賊だってことを知らないのかい。」
「はじめは存じませんでした。はじめての晩、内へ泊りに見えました時は、どこのかお邸の、若様だとそう思っていたんですって。」
「まあ、泊りに行ったのかねえ、ここに、書いてあるのがそうだね。」
先刻から目に留ったは、それ、ひらがなの走りがき、鉛筆で美しく=晩に=と一行。行を分けて=お前=と書き、=の許へ=とまた項を別に=泊りに行くよ=と記してある。
「どこで、こんなことをいわれたの。」
「この二階なの。あの、山路でこれを貰いましてから、私大事にして首へかけて、お、お乳の下へかくしていたの。