Classici giapponesi con furigana
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アンドロギュノスのちすじ
アンドロギュノスの裔
渡辺 温
Leggi アンドロギュノスの裔 (アンドロギュノスのちすじ) di 渡辺 温 (わたなべおん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 129.168 caratteri · 267 schermate
こちらの名は、ピアノの先生でもお医者でも撮影所の小使でも何でもいい。……』
Y君は、娘が出て行ってしまうと、さて寝台の上に引っくり返って、ありったけ大声で笑ってみた。
それから、鏡台の上の酒を択んで、幾杯も幾杯も立てつづけに祝盃を上げた。青春との別れのために……
翌朝。
軍服にブラシをかけてくれる女にY君はきいた。
『一体、いくら上げればいいのだろうね?』
すると、女は嬉しそうに微笑してみせた。
『いいえ、いくらでもないの。――あなたを口説き落すことは、もう永いこと、あたしたちの賭けだったんですもの。……』
Y君は、併し、幾許も入ってはいなかったが紙入れごと、彼女の手の中に握らせて帰った。
Y君は、それから間もなく、小さい時から知り合いの、帽子工場に働いている娘と結婚して、最も善良な夫になったと云う。