Classici giapponesi con furigana
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アンドロギュノスのちすじ
アンドロギュノスの裔
渡辺 温
Leggi アンドロギュノスの裔 (アンドロギュノスのちすじ) di 渡辺 温 (わたなべおん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 129.168 caratteri · 267 schermate
と美代子は咽び泣きながら役人に打ち明けた。
わたくしはそれで、結局小野さんと葛飾と何方が果して、一層深く自分を愛していてくれるか、知り度かったのでございます。何方でも愛情の度合の優っている方に、自分の行末を委ねなければならないと考えました。わたくしは以前、古い支那の小説で、ある人妻が佯って、井戸の中に身を投げたように見せかけて、どれ程夫が嘆き悲しむか、それに依って夫の、自分に対する愛情を測ると云う話を読んだことがございました。わたくしは、その故事に倣って、こんな不幸を惹き起した罪を償うために、裏の古沼に陥って死にます――と云う遺書を部屋に遺して、物置の中にひそみながら、男たちの戻るのを待って居りました。すると先に帰って来たのが小野さんでした。小野さんは、ひどく酔っていたようですけれども、直ぐにわたくしの遺書を見付けたものとみえて、殆ど泣き声のような叫びを上げながら裏の沼の方へ駆けて行きました。それから間もなく引返して来て、画室へ入ってしまうと、やがて、鈍い銃声が聞こえたのでございます。わたくしは、取り返しのつかない間違いを仕出かしたことを知りました。