Classici giapponesi con furigana
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いーはとーぼのうがっこうのはる
イーハトーボ農学校の春
Leggi イーハトーボ農学校の春 (いーはとーぼのうがっこうのはる) di Miyazawa Kenji (宮沢 賢治) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 57.726 caratteri · 120 schermate
さっきから見えていた白い燈台はすぐそこだ。ぼくは船が横を通る間にだまってすっかり見てやろう。絵が上手だといいんだけれども僕は絵は描けないから覚えて行ってみんな話すのだ。風は寒いけれどもいい天気だ。僕は少しも船に酔わない。ほかにも誰も酔ったものはない。
*
いるかの群が船の横を通っている。いちばんはじめに見附けたのは僕だ。ちょっと向うを見たら何か黒いものが波から抜け出て小さな弧を描いてまた波へはいったのでどうしたのかと思ってみていたらまたすぐ近くにも出た。それからあっちにもこっちにも出た。そこでぼくはみんなに知らせた。何だか手を気を付けの姿勢で水を出たり入ったりしているようで滑稽だ。
先生も何だかわからなかったようだが漁師の頭らしい洋服を着た肥った人がああいるかですと云った。あんまりみんな甲板のこっち側へばかり来たものだから少し船が傾いた。
風が出てきた。
何だか波が高くなってきた。
東も西も海だ。向うにもう北海道が見える。何だか工合がわるくなってきた。
*
いま汽車は函館を発って小樽へ向って走っている。窓の外はまっくらだ。もう十一時だ。函館の公園はたったいま見て来たばかりだけれどもまるで夢のようだ。