Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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シグナルとシグナレス

セロ弾きのゴーシュ

宮沢 賢治

Leggi セロ弾きのゴーシュ (シグナルとシグナレス) di Miyazawa Kenji (宮沢 賢治) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 15.296 caratteri · 32 schermate

Aozora Bunko

「若さま、いけません。これからはあんなものにやたらに声を、おかけなさらないようにねがいます」本線のシグナルに夜電気を送る太い電信柱がさももったいぶって申しました。

本線のシグナルはきまり悪そうに、もじもじしてだまってしまいました。気の弱いシグナレスはまるでもう消えてしまうか飛んでしまうかしたいと思いました。けれどもどうにもしかたがありませんでしたから、やっぱりじっと立っていたのです。

雲の縞は薄い琥珀の板のようにうるみ、かすかなかすかな日光が降って来ましたので、本線シグナルつきの電信柱はうれしがって、向こうの野原を行く小さな荷馬車を見ながら低い調子はずれの歌をやりました。

「ゴゴン、ゴーゴー、

うすい雲から

酒が降りだす、

酒の中から

霜がながれる。

ゴゴン、ゴーゴー、

ゴゴン、ゴーゴー、

霜がとければ、

つちはまっくろ。

馬はふんごみ、

人もぺちゃぺちゃ。

ゴゴン、ゴーゴー」

それからもっともっとつづけざまに、わけのわからないことを歌いました。

その間に本線のシグナル柱が、そっと西風にたのんでこう言いました。

「どうか気にかけないでください。こいつはもうまるで野蛮なんです。