Classici giapponesi con furigana
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シグナルとシグナレス
セロ弾きのゴーシュ
Leggi セロ弾きのゴーシュ (シグナルとシグナレス) di Miyazawa Kenji (宮沢 賢治) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 15.296 caratteri · 32 schermate
礼式も何も知らないのです。実際私はいつでも困ってるんですよ」
軽便鉄道のシグナレスは、まるでどぎまぎしてうつむきながら低く、
「あら、そんなことございませんわ」と言いましたがなにぶん風下でしたから本線のシグナルまで聞こえませんでした。
「許してくださるんですか。本当を言ったら、僕なんかあなたに怒られたら生きているかいもないんですからね」
「あらあら、そんなこと」軽便鉄道の木でつくったシグナレスは、まるで困ったというように肩をすぼめましたが、実はその少しうつむいた顔は、うれしさにぽっと白光を出していました。
「シグナレスさん、どうかまじめで聞いてください。僕あなたのためなら、次の十時の汽車が来る時腕を下げないで、じっとがんばり通してでも見せますよ」わずかばかりヒュウヒュウ言っていた風が、この時ぴたりとやみました。
「あら、そんな事いけませんわ」
「もちろんいけないですよ。汽車が来る時、腕を下げないでがんばるなんて、そんなことあなたのためにも僕のためにもならないから僕はやりはしませんよ。けれどもそんなことでもしようと言うんです。僕あなたくらい大事なものは世界中ないんです。