Classici giapponesi con furigana
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ボロやのしゅんじゅう
ボロ家の春秋
梅崎 春生
Leggi ボロ家の春秋 (ボロやのしゅんじゅう) di 梅崎 春生 (うめざきはるお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 129.411 caratteri · 263 schermate
「勝てばいいんですがね。金にもなるんでね。金のことはどうでもいいと思うんだけれど、貧乏したらやはり金も欲しいしね。今まとまって欲しいんですよ」
「勝つでしょう。こんないい体格だから」
「体格じゃ、こいつはきまりませんのでね」
もしこの鶏が負けたら、もう軍鶏を育てるのも止めにするつもりだ、と白木は独白のように言いながら顔を彼にむけた。
「また、やりますか、こいつ」
白木は花札をめくる手付をしながら、うながすような目付になった。彼はうすく頬に笑いを浮べて、白木のぶよぶよした生白い顔を見ていた。
彼に花札を教えたのは、三元であった。復員してきて、住居がないまま、半年ばかり三元の家に同居していたことがあって、その時毎晩三元と花札を弄んだ。三元も彼と同じく軍隊から復員してきたのだが、どうやって借りたのか、独身のくせにちゃんと一軒の家に住んでいた。二間しかない小さな家で、その湿気の多い三畳間を、三元は彼のためにさいた。三元は花札はうまかった。ほとんど指先に眼があるのかと思われるほど、感が良かった。三元のそうした感の良さに、彼はときどき不気味なものを感じた。ある時中山や三元などと、麻雀卓をかこんだことがある。