Classici giapponesi con furigana
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ボロやのしゅんじゅう
ボロ家の春秋
梅崎 春生
Leggi ボロ家の春秋 (ボロやのしゅんじゅう) di 梅崎 春生 (うめざきはるお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 129.411 caratteri · 263 schermate
云々。
「申し聞かせるのは、お宅の勝手ですがね」
彼は言った。
「僕んとこの道は狭くない。大型車だって、ゆっくり這入れる。そのことを徹底させといて下さい。それだけです」
彼は急いで電話を切った。おれはおれの面子を立てるためでなく、道をけなされたことを怒っているみたいだ。しかし電話をかけたことで、彼はやや気分が晴れた。彼は井戸端に出て、大コップで水をがぶがぶ飲み、庭の隅の塵芥穴で全部吐いた。咽喉を突き上げて出て来るのは、水ばかりであった。飲む時と同じ冷たさで、それはほとばしり出る。二三度繰り返して、胃を空にして、彼は自分の部屋に戻った。そしてまた夕方まで寝た。
常務と運転手が彼の家を訪ねて来たのは、その翌日の午後である。見知らぬ男が二人、玄関に立っている。いぶかしげに彼が眺めると、年かさの方が名刺を出した。××タクシー常務の肩書きで、それと知れた。わざわざやって来たのに、玄関で応対するのも変なので、画室に案内した。玄関には新しい靴とつぶれたような靴が、二足残された。
「電話をかけただけなのに、どうしておれの家が判ったんだろう?」
茶をいれながら、彼はふと思った。