Classici giapponesi con furigana
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ボロやのしゅんじゅう
ボロ家の春秋
梅崎 春生
Leggi ボロ家の春秋 (ボロやのしゅんじゅう) di 梅崎 春生 (うめざきはるお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 129.411 caratteri · 263 schermate
「あなたがその眼で見たとして、それからあなたはどうなったんです」
「うちの近くまで来て、運転手が僕に降りろと言うんだ。そこで僕は降りた。しかし雨は降っていなかったぜ」
その経緯を彼はぽつりぽつり、確めるように説明した。矢木は適当に相槌を打ちながら聞いていた。話し終ると矢木は質問した。
「で、結局その菓子折に、何が入ってたんですか?」
「判らない。新聞紙や外箱だけが燃え尽きて、あとどろどろなのが残った。へんに甘ったるい匂いがしてね、嘔きたくなるような気持がしたし、ウジが湧きそうだったから、スコップで穴を掘って埋めてしまった。しかしそんなものを持って来るぐらいなら、どうしてあの時道に這入って呉れなかったんだろう?」
「自動車強盗と間違えたんじゃないですか」
「強盗? このおれが? まさか」
「しかし、運転手には、気をつけた方がいいですよ。ノイローゼだのテンカンなどが、自覚しないまま営業してるという話ですからねえ」
矢木は真顔になって話の方向を変えた。
「もっとも乗る方だって、気が確かかどうか、誰にも判っていない」
「そうだよ」
少し経って彼はうなずいた。
「おれたちだって、少しずつこんぐらかってるよ。