Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
ボロやのしゅんじゅう
ボロ家の春秋
梅崎 春生
Leggi ボロ家の春秋 (ボロやのしゅんじゅう) di 梅崎 春生 (うめざきはるお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 129.411 caratteri · 263 schermate
成程あれに拘泥っていたのかと僕は気がついた。処が一週間ほど経った夜、僕は本当に追剥がれたのである。
その夜僕は少し粕取を飲過ぎた。何処をどう歩いたのか判らない。気がついた時は僕は堅いものの上に寝ていて、誰かが外套を脱がせようとしているところだった。奇特な人がいるものだ、と遠く頭のすみで考えながら又眠りに落ちようとしたが、外套を脱がせるために体をぐいぐい小突かれるから今度ははっきりと眼を覚ました。
「何をするんだ」
僕はそう言いながら肱をついて上体を起そうとした。ちらちら乱れる視界の中に僕がとらえたのはあの男の顔だった。
「お前外套を取る気か」
ふらふらする頭を定めて僕が怒鳴った。怒鳴った積りだけれど呂律がうまく廻らない。
「そうよ」あいつは平気な顔でそう言った。「明日船橋に用事で行くんだ。外套がないと都合が悪い」
「じゃお前は追剥だな」
「追剥」彼は一寸手を休めたが「追剥、で結構だよ。俺は追剥だよ」
下から見上げているのではっきり判らないが、その時彼はおそろしく悲しそうな顔をした。その声も泣いているのじゃないかと思った位だ。僕は急に力が抜けてどうでもいいやという気分になった。