Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ボロやのしゅんじゅう

ボロ家の春秋

梅崎 春生

Leggi ボロ家の春秋 (ボロやのしゅんじゅう) di 梅崎 春生 (うめざきはるお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 129.411 caratteri · 263 schermate

Aozora Bunko

記。不起訴』

検察官の印がでんと押してある。甚五が偽証罪で誰かを訴えたのに、不起訴と判決が下ったわけですな。大久保みたいな詮索好きの男が、それを見逃す筈がない。

「一体どんな事件で、どんな証人を呼んで、どんな証言がなされたのか。このハガキだけじゃ、全然判らないじゃないか。ねえ。君もそう思うだろ」

大久保は口をとがらせて、ぼくに報告をしました。

「だからその事情を聞きに行ったのさ」

「君にその権利があるのかね?」

「そりゃあるさ。わざわざハガキを届けに行ってやったんだもの」

こういうこの世の論理(?)がどうしてもぼくには理解出来ないのですが、当人がそう思い込んでいるし、何だったら助言をしてやろうとの好意(?)から出ているらしいのです。介入するわけには行きません。

「するとあいつ、二言三言話している中に、おれの顔を引っかきやがってね。まるで猫みたいな奴だ。どうしても病院に入れなきゃ、あぶなくって仕様がない」

こめかみから頬ぺたにかけて、引っかき傷が出来ていました。それをぼんやり眺めていると、大久保はむっと言葉を荒らげました。

「なぜにやにやするんだい。笑いごとじゃないんだぞ!」