Classici giapponesi con furigana
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ボロやのしゅんじゅう
ボロ家の春秋
梅崎 春生
Leggi ボロ家の春秋 (ボロやのしゅんじゅう) di 梅崎 春生 (うめざきはるお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 129.411 caratteri · 263 schermate
伏してお願い申し上ぐる次第でございます。なお陳氏は、貴殿が印鑑証明をお送り下されば、それだけにてすべてを水に流すつもりだと、口頭ながら洩らしておられましたことを申し添えます。貴殿の現住所が不明でしたので、とりあえずこの手紙を本籍地宛てにいたしました非礼をお許し下さい。
昭和二十九年×月×日野呂旅人※』
そしてその欄外には、
『この郵便物は昭和二十九年×月×日第××号書留内容証明郵便物として差出したことを証明します
世田谷郵便局長』
という黒いスタンプがぽんと捺してある。僕は思わずうなりました。なにか手を考えてるには違いないと思っていたが、こんな大それたことをたくらんでるとは気がつきませんでしたな。自分で考案したのか、誰からか悪知恵をつけられたのか、名義人の不破とヤミ取引きをして、自分名義の登録をとり、そしてそれをたてにして僕を追い出そうとの方寸でしょう。マヌケな野呂にしてはなかなかの上出来で、あやうくこちらも窮地に立つところでしたが、天は不正に味方したまわず、最後の一瞬にこのたくらみは見破られた。ざまを見ろと快哉を叫びたいところですが、まだ相手は次々とどんな手を打って来るかは判らないのですから、油断はできません。