Classici giapponesi con furigana
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かぜのまたさぶろう
ポラーノの広場
Leggi ポラーノの広場 (かぜのまたさぶろう) di Miyazawa Kenji (宮沢 賢治) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 67.062 caratteri · 135 schermate
タネリはおもわず、やっと柔らかになりかけた藤蔓を、そこらへふっと吐いてしまって、その西風のゴスケといっしょに、大きな声で云いました。
「おい、柏の木、おいらおまえと遊びに来たよ。遊んでおくれ。」
この時、風が行ってしまいましたので、柏の木は、もうこそっとも云わなくなりました。
「まだ睡てるのか、柏の木、遊びに来たから起きてくれ。」
柏の木が四本とも、やっぱりだまっていましたので、タネリは、怒って云いました。
「雪のないとき、ねていると、
西風ゴスケがゆすぶるぞ
ホースケ蜂が巣を食うぞ
トースケひばりが糞ひるぞ。」
それでも柏は四本とも、やっぱり音をたてませんでした。タネリは、こっそり爪立てをして、その一本のそばへ進んで、耳をぴったり茶いろな幹にあてがって、なかのようすをうかがいました。けれども、中はしんとして、まだ芽も葉もうごきはじめるもようがありませんでした。
「来たしるしだけつけてくよ。」タネリは、さびしそうにひとりでつぶやきながら、そこらの枯れた草穂をつかんで、あちこちに四つ、結び目をこしらえて、やっと安心したように、また藤の蔓をすこし口に入れてあるきだしました。