Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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おもいで

ロッパの悲食記

古川 緑波

Leggi ロッパの悲食記 (おもいで) di 古川 緑波 (ふるかわろっぱ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 52.651 caratteri · 114 schermate

Aozora Bunko

チュウインガムが流行り出したのも、その頃。

その頃というのは明治末期のこと。

さて然し、それらはみんな庶民的な、西洋駄菓子であって、贅沢なおやつには風月堂のケーキ、青木堂のビスケットなどが出たものである。

風月堂の、御進物用の箱を貰った時の悦びを忘れない。上等なのは、桐の箱入りで、デコレーションの附いた、スポンジケーキが、ギッシリと詰っていて、その上へ、ザーッと、小さな銀の粒や、小さな苺の形をしたキャンディーが掛けてあった。

掛けてある、という感じなのだ。そのスポンジケーキの合間々々に在る姿が。

桐の箱の蓋を除ると、プーンと、ケーキのにおいが鼻へ来る。温かいような、バタのにおいである。

青木堂のビスケットと書いたが、ビスケットと言っても、これはクッキーである。その種類色々あり。

マカロンが先ず第一の贅沢なもの、これは後年「人形の家」のノラが、しきりに食べることを知り、イプセンも、マカロンの愛用者ではなかったかと思った。

マカロンの、いささか濃厚な味は、然しフランスの乾菓(キャンディーではない。いまで謂うクッキー)の王者だった。

マカロンの他にデセール、サブレー、ウーブリ、ビスクイなどという種類があり、乾葡萄の枝ごとのもあった。