Classici giapponesi con furigana
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いっすんぼうし
一寸法師
江戸川 乱歩
Leggi 一寸法師 (いっすんぼうし) di 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 96.475 caratteri · 194 schermate
「オオ、兄貴、このごろ暫く顔を見せなかったが又どっか荒し廻ってたんじゃねえのか」
巡査の跫音が遠ざかるのを待って、こもが話しかけた。
「ウンニャ、ちっとばかり忙しいことがあってね。ここんところ、いたずらの方は手控えてるんだ。今日は久しぶりで、又赤いものが見たくなったもんだからね」
うつろの中の声が答えた。
「因果な病さね。……それはそうと、例の片腕の一件はおさまりがついたのかね」
「ウフフ、覚えていやあがる。お前だから何もかも話すがね。今世間じゃ大騒ぎさ。今日の新聞なんか、おれのまいた種で、三面記事が埋まってるんだ。今度こそ、いくらか溜飲が下ったてえものだ。だが、断るまでもねえ、人になんかこれから先もいうんじゃねえぜ。おらあな、一本の足を千住の溝の中へ、一本の足を公園の瓢箪池の中へ、一本の手を――呉服店の陳列場へ、一本の手をある家へ小包にして送ってやったあ。ウフフフフフ、そいつが今世間じゃ大評判なんだぜ。こんな心持のいいこたあねえ」
うつろの中の悪魔は、この驚くべき事実をこともなげに打明けて、さもさも愉快でたまらぬという様に、奇怪な笑い声を漏した。笑い声の間には、無気味な歯ぎしりの音が混っていた。