Classici giapponesi con furigana
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いっすんぼうし
一寸法師
江戸川 乱歩
Leggi 一寸法師 (いっすんぼうし) di 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 96.475 caratteri · 194 schermate
だが、相手の奇怪な人物が何者だかは、まるで見当がつかなんだ。ふと、どこかで一度逢った人の様な気がしないでもなかったが、それ以上のことは少しも分らないのだ。分っているのは、彼奴が夫人の弱味につけ込んで彼女を脅迫していることと、夫人が何か恐しい秘密を持っていて、甘んじて男の意のままに動いていることだった。
だが、夫人にどんな秘密があろうと、紋三は彼女をにくむ気にはなれなかった。にくいのは相手の男だった。彼は男に対して烈しい嫉妬を感じた。か弱い夫人が、今ごろあいつのためにどんな目に会っているかと思うと、気が狂い相だった。
様々の醜い場面が、まざまざと目の先にちらついた。そこには獣の様な男がいた。なまめかしく取乱した夫人の姿があった。それを思うと彼は肉体的な痛みを感じた。幾度家の中へ飛びこもうとしたか知れなかった。だが、夫人の迷惑を察して僅に踏み止まった。
待っても待っても彼等は出て来る様子がなかった。さい前からほとんど一時間も闇の中に立っていた。妄想は募るばかりだった。もう辛抱がし切れなかった。それに、丁度その時、彼は二階の方から女の悲鳴らしいものを聞いた。