Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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さんしろう

三四郎

夏目 漱石

Leggi 三四郎 (さんしろう) di Natsume Sōseki (夏目 漱石) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 169.765 caratteri · 343 schermate

Aozora Bunko

ある時大きな樽柿を十六食ったことがある。それでなんともなかった。自分などはとても子規のまねはできない。――三四郎は笑って聞いていた。けれども子規の話だけには興味があるような気がした。もう少し子規のことでも話そうかと思っていると、

「どうも好きなものにはしぜんと手が出るものでね。しかたがない。豚などは手が出ない代りに鼻が出る。豚をね、縛って動けないようにしておいて、その鼻の先へ、ごちそうを並べて置くと、動けないものだから、鼻の先がだんだん延びてくるそうだ。ごちそうに届くまでは延びるそうです。どうも一念ほど恐ろしいものはない」と言って、にやにや笑っている。まじめだか冗談だか、判然と区別しにくいような話し方である。

「まあお互に豚でなくってしあわせだ。そうほしいものの方へむやみに鼻が延びていったら、今ごろは汽車にも乗れないくらい長くなって困るに違いない」

三四郎は吹き出した。けれども相手は存外静かである。

「じっさいあぶない。レオナルド・ダ・ヴィンチという人は桃の幹に砒石を注射してね、その実へも毒が回るものだろうか、どうだろうかという試験をしたことがある。ところがその桃を食って死んだ人がある。