Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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さんしろう

三四郎

夏目 漱石

Leggi 三四郎 (さんしろう) di Natsume Sōseki (夏目 漱石) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 169.765 caratteri · 343 schermate

Aozora Bunko

「いや、帰ってもらうほどじゃまでもありません。こっちの用事もべつだんのことでもないんだから。そう急に片づけるたちのものをやっていたんじゃない」

三四郎はちょっと挨拶ができなかった。しかし腹のうちでは、この人のような気分になれたら、勉強も楽にできてよかろうと思った。しばらくしてから、こう言った。

「じつは佐々木君のところへ来たんですが、いなかったものですから……」

「ああ。与次郎はなんでもゆうべから帰らないようだ。時々漂泊して困る」

「何か急に用事でもできたんですか」

「用事はけっしてできる男じゃない。ただ用事をこしらえる男でね。ああいうばかは少ない」

三四郎はしかたがないから、

「なかなか気楽ですな」と言った。

「気楽ならいいけれども。与次郎のは気楽なのじゃない。気が移るので――たとえば田の中を流れている小川のようなものと思っていれば間違いはない。浅くて狭い。しかし水だけはしじゅう変っている。だから、する事が、ちっとも締まりがない。縁日へひやかしになど行くと、急に思い出したように、先生松を一鉢お買いなさいなんて妙なことを言う。そうして買うともなんとも言わないうちに値切って買ってしまう。