Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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さんしろう

三四郎

夏目 漱石

Leggi 三四郎 (さんしろう) di Natsume Sōseki (夏目 漱石) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 169.765 caratteri · 343 schermate

Aozora Bunko

すぐ返事を出してくれれば、もう届く時分であるのにまだ来ない。今夜あたりはことによると来ているかもしれぬくらいに考えて、下宿へ帰ってみると、はたして、母の手蹟で書いた封筒がちゃんと机の上に乗っている。不思議なことに、いつも必ず書留で来るのが、きょうは三銭切手一枚で済ましてある。開いてみると、中はいつになく短かい。母としては不親切なくらい、用事だけで申し納めてしまった。依頼の金は野々宮さんの方へ送ったから、野々宮さんから受け取れというさしずにすぎない。三四郎は床を取ってねた。

翌日もその翌日も三四郎は野々宮さんの所へ行かなかった。野々宮さんのほうでもなんともいってこなかった。そうしているうちに一週間ほどたった。しまいに野々宮さんから、下宿の下女を使いに手紙をよこした。おっかさんから頼まれものがあるから、ちょっと来てくれろとある。三四郎は講義の隙をみて、また理科大学の穴倉へ降りていった。そこで立談のあいだに事を済ませようと思ったところが、そううまくはいかなかった。この夏は野々宮さんだけで専領していた部屋に髭のはえた人が二、三人いる。制服を着た学生も二、三人いる。