Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
さんしろう
三四郎
Leggi 三四郎 (さんしろう) di Natsume Sōseki (夏目 漱石) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 169.765 caratteri · 343 schermate
与次郎は黙ってしまった。
「色の出し方がなかなか洒落ていますね。むしろ意気な絵だ」と野々宮さんが評した。
「少し気がききすぎているくらいだ。これじゃ鼓の音のようにぽんぽんする絵はかけないと自白するはずだ」と広田先生が評した。
「なんですぽんぽんする絵というのは」
「鼓の音のように間が抜けていて、おもしろい絵の事さ」
二人は笑った。二人は技巧の評ばかりする。与次郎が異を立てた。
「里見さんを描いちゃ、だれが描いたって、間が抜けてるようには描けませんよ」
野々宮さんは目録へ記号をつけるために、隠袋へ手を入れて鉛筆を捜した。鉛筆がなくって、一枚の活版刷りのはがきが出てきた。見ると、美禰子の結婚披露の招待状であった。披露はとうに済んだ。野々宮さんは広田先生といっしょにフロックコートで出席した。三四郎は帰京の当日この招待状を下宿の机の上に見た。時期はすでに過ぎていた。
野々宮さんは、招待状を引き千切って床の上に捨てた。やがて先生とともにほかの絵の評に取りかかる。与次郎だけが三四郎のそばへ来た。
「どうだ森の女は」
「森の女という題が悪い」
「じゃ、なんとすればよいんだ」
三四郎はなんとも答えなかった。