Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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さんしろう

三四郎

夏目 漱石

Leggi 三四郎 (さんしろう) di Natsume Sōseki (夏目 漱石) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 169.765 caratteri · 343 schermate

Aozora Bunko

二重瞼の切長のおちついた恰好である。目立って黒い眉毛の下に生きている。同時にきれいな歯があらわれた。この歯とこの顔色とは三四郎にとって忘るべからざる対照であった。

きょうは白いものを薄く塗っている。けれども本来の地を隠すほどに無趣味ではなかった。こまやかな肉が、ほどよく色づいて、強い日光にめげないように見える上を、きわめて薄く粉が吹いている。てらてら照る顔ではない。

肉は頬といわず顎といわずきちりと締まっている。骨の上に余ったものはたんとないくらいである。それでいて、顔全体が柔かい。肉が柔かいのではない骨そのものが柔かいように思われる。奥行きの長い感じを起こさせる顔である。

女は腰をかがめた。三四郎は知らぬ人に礼をされて驚いたというよりも、むしろ礼のしかたの巧みなのに驚いた。腰から上が、風に乗る紙のようにふわりと前に落ちた。しかも早い。それで、ある角度まで来て苦もなくはっきりととまった。むろん習って覚えたものではない。

「ちょっと伺いますが……」と言う声が白い歯のあいだから出た。きりりとしている。しかし鷹揚である。ただ夏のさかりに椎の実がなっているかと人に聞きそうには思われなかった。