Classici giapponesi con furigana
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さんあくにんものがたり
三悪人物語
山本 周五郎
Leggi 三悪人物語 (さんあくにんものがたり) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 28.990 caratteri · 58 schermate
この若僧をすてっぺんからおどかして存分に黄金をかっさらうはずだ。しかるにえいと力んだが刀は抜けない、だんびら物は鞘へ貼りついたようにびくっとも動かないのである、「おれやてみる」と中将が手を出した、「それはですね、つまりこうして、――」杢ものぞきこんだ。
八百助は平然と小判を数えている。
「いけねらし、おれのやろ」中将があきらめて自分のを出した。だがこれも抜けなかった、杢の刀はどうだ、三度めの正直「えい」とやったが、こいつも全然いけなかった。
「どうしたんです」八百助が手を休めてそっちを見る、「抜けないんですか、――どこかぐあいが悪いんですね」
八百助は立って来る。どれと云って権頭の刀を取る、三人は疑わしげにのぞく、こちらは右手で柄を握ってぐいと引いた。だんびら物はすらりと抜ける、いちどおさめてもういっぺんやってみた。こんども楽にすらりと抜ける、「このとおり抜けますよ」ぴたりとおさめて権頭に渡し、八百助はまた自分の席へ帰った。――権頭は改めて刀を持ち直し、ぎっくりと凄みをきかせて叫んだ。
「さあこんどこそ覚悟をしろ、われらは抜刀斬込み隊、強い相手は避けて通るが弱いとみたら容赦なしの強盗さまだ、四の五のぬかせば伝家のわざ物、ずぶらずぶらと――えい」