Classici giapponesi con furigana
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さんあくにんものがたり
三悪人物語
山本 周五郎
Leggi 三悪人物語 (さんあくにんものがたり) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 28.990 caratteri · 58 schermate
中将は自分のぺしゃんこになった腹部をなでた、「こなだ、なんもね、からからだ、めくらむ」
「やあいこの家の野郎」権頭はじだんだを踏み、絶叫する、「おれ達をどうする気だ、ぺてんにひっかけやがって、とうとう人に家庭内職みてえなまねをさしあがって、おまけに出も引きもならねえようにするなんて、訴えてくれるぞ銀流し、なんとかしろ、出て来い、罪なことうするないっ」
「云ってみればですね」杢は細くなった指をそれでもかろうじてひらひらさせる、「これはですね、つまり、どうやらその、――失敗だったですなあ」
「もらたってらね、だみだ、めまたまもぐらぐらだ」中将はくたくたとぶっ坐った、「もなくいて、しんそだ」
権頭は暴れた、金包みの山へ躯を叩きつけ、押しこくり、とびかかった。あれほどの執着をもって押し込み、家人をみな殺しにしても強奪する決心だった金、現在眼の前に山と積まれたその「金」が、今や三人には身の仇であり生命の敵となっている。……幾百たびもへたばり、幾百たびも奮い立って脱出を試みた結果、三人とも力つき精根消耗してぶっ倒れた。
「かりにもし、子供があったら、ですね」杢はもうひらひらさせられない指をあげて、きわめて柔和にこう云った、「私はこう遺言をしますよ、――決して眼をくれるな、金はかたきだ」