Classici giapponesi con furigana
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さんあくにんものがたり
三悪人物語
山本 周五郎
Leggi 三悪人物語 (さんあくにんものがたり) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 28.990 caratteri · 58 schermate
杢が云っている、「さあどうぞ、はいあなたにも、お次はそちら、立ちどまらないでください」
「おらっちは受難者だ、犠牲者だ」権頭は金包みを渡しながらなげいていた、「飲まず食わずで骨を折って金包みをこしらえ、死にそこない、汗みずたらしてここへ運び、あげくの果てにこうやって人に配っている、一文にもならねえ、――ただばたらきだ、受難者だ」
「わけしれね、むちゃくちゃだ」中将もぼやく、「はなしなんね、おたまげだ」
他の場所でも時間はいきいきと動いていた。まず奉行役所をのぞいてみよう、――そこではいま急使が来て、江戸幕府の監察使が予定より早く、すなわち「明日佐貝へ到着する」という報知をもたらせた。すわこそ一大事、直ちに高札触書を撤去しなければならぬ、かの酷烈無比を極めた生活の枷、あらゆる食糧物資の統制と制限令を、もし監察使に見られたら最後だ。全役人は市中へとびだした、辻々の高札場をはいでまわり、市民に諭告をくれてまわった、「もし誰かにきかれたら答えろ、当市の生活は安穏であり満足である、衣食住はすべて潤沢であり、政治は公明である、いささかも不平はない、――誰にきかれてもこう答えろ、もしこれにそむく奴があれば逆さ磔刑にして鋸びきだぞ」