Classici giapponesi con furigana
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せけんし
世間師
小栗 風葉
Leggi 世間師 (せけんし) di 小栗 風葉 (おぐりふうよう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 17.390 caratteri · 36 schermate
六
私は一人二階に残って、襤褸布団に裹りながら階下の騒ぎを聞いていた。おもしろそうに唄ったり囃したりしているうちはよかったが、しまいには取組合いの喧嘩を始めた。上さんが金切声を搾って制する。私は銭占屋が対手でないかと案じて、階子の上り口からそっと覗いてみたが、その時にはもう銭占屋はその中にいなかった。女房の姿も見えなかった。
喧嘩もすんで、酔漢どもがやっと二階へ引揚げたのは夜の八時ごろ、いずれも泥のようになってすぐ寝た。銭占屋と女房とは、それから二時間ばかりも経って帰ってきたらしかったが、その時には私も夢現でよくは覚えなかった。
六
ところが、その翌々日の暮方万年屋はブラリと帰ってきた。私は階下で遅れて夕飯を食べていたが、万年屋はいかにも疲れきった様子で、ドッカリ上り框に腰を下ろすと、もう草鞋を解く勢もない。
「お上さん、今帰りました。」と息を切らせて、「すまねえが、嚊に降りてこいって呼んでおくんなさい。」
ちょうど為事から帰ってきた同宿の連中、夕飯を食っている者や、足を洗ってこれから食おうとする者や、四五人その周辺に居合せたが、皆黙ってにやにや笑っている。