Classici giapponesi con furigana
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せけんし
世間師
小栗 風葉
Leggi 世間師 (せけんし) di 小栗 風葉 (おぐりふうよう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 17.390 caratteri · 36 schermate
それから、二三日経ってある朝、銭占屋は飯を食いかけた半ばにふと思いついたように、希しく朝酒を飲んで、二階へ帰るとまた布団を冠って寝てしまった。女房は銭占屋の使で町まで駿河半紙を買いに行ったし、私も話対手はなし、といってすることもないから、浜へでも行ってみようと思った。すると、私のその気勢に、今までじっと睡ったように身動きもしなかった銭占屋が、
「君、どっかへ出るかね。」と頭を挙げて聞いた。
見ると、何んだか泣いてでもいたように、目の縁が赤くなっている。酒も醒めたとみえて、青い顔をしている。
「なあに、出なくってもいいんです。」
「じゃ、まあ談していておくんな。何だか心寂しくっていけねえ。」といつもにもないことを言う。
「どうかしたんですか。」と私も怪しむと、
「なあにね、いろんな事を考えこんでしまって、変な気持になったのさ。」と苦笑いをして、
「君は幾歳だったっけね。」
「十九です。」
「じゃ来年は二十だ。私なんかそのころはもう旅から旅を渡り歩いていた。君はそれで、家も双親も国にはあるんだっけね。じゃ、早く国へお帰んなせえ。こんなとこにいつまでも転々していたってしようがねえ、旅用だけの事は何とか工面してあげるから。