Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ふたおもてくらべぼたん

両面競牡丹

酒井 嘉七

Leggi 両面競牡丹 (ふたおもてくらべぼたん) di 酒井 嘉七 (さかいかしち) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 12.317 caratteri · 25 schermate

Aozora Bunko

なぞと、考える様になっていたのでございます。しかし、そうは申しますものの、次の瞬間には、

(いや、確かに……)

と、こう思いまして、さて、われと自分の頭を、大きく振り、

(思うまい、思うまい、早く忘れてしまいましょう)

と、独白していたのでございます。

昔から、よく、一度あることは二度あるとか申しますが、私の場合では、一度ならず、二度三度と、思いもかけぬ出来ごとがつづいていたのでございました。

この第二の出来ごとと申しますのは、お部屋をお掃除いたしておりますとき、片隅から、小さな石のはいった指差が出て来たことでございました。いつの頃から、そうしたところに、ころがり込んでいましたものやら、見ると、私のものではございません。もしかすると、お母さんがもっていられるものでもあろう、と、かように考えまして、おたずねいたしましたが、そうでもございません。

「お子供衆のうちの、どなたかが落されたのではないのかい」

お母さんは、こんなにも申されましたが、そのお部屋は、私の居間でございますので、そうしたところまで、お弟子さんがはいって来られる筈もございません。それに、見た目にも、お子供衆のお持ちになるものでもございません。