Classici giapponesi con furigana
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『せっかずせつ』のけんきゅう
中谷宇吉郎集 第二巻
中谷 宇吉郎
Leggi 中谷宇吉郎集 第二巻 (『せっかずせつ』のけんきゅう) di 中谷 宇吉郎 (なかやうきちろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 83.098 caratteri · 172 schermate
「磨り方は手加減でいつも大体同じ位の力で磨ることにしまして」という説明もついていた。そして紙も十分注意して石粉の全然はいらぬものを使って、その上に濃淡様々の墨色が出るような簡単な図形を描いて見るのであった。それを色々の墨についてやってみた、その比較を見せられたのであるが、私は初めて墨色の差というものがこれほど著しいものであるかと驚いたのであった。
墨が淡くなると墨色の差が素人にも大変分りやすくなるので、色々の程度の青みを帯びたもの、茶色がかかったもの、その青みや茶色にも数種の系統があることなど初めて知った私には一つの驚異であった。それにはもし知らぬ人がこれを見せられたらきっと色々の絵具を混ぜたものだろうと思う位はっきりした差が出ていたのである。実際のところ、墨色の差などというものは、極めて特殊の感覚を持った人にのみ味得出来るもので、ちょうど食通の料理自慢のようなものであろうとぼんやり考えていたのであるが、このようにして作った墨色図鑑を見せられて初めて、世の中のことは何でも一応は研究してみるべきものだなと思ったのである。
どの墨がどのような墨色をしていたかはすっかり忘れてしまったが、支那の古い墨の一つには透きとおるような青みを帯びた墨があったが、あの色だけは忘れかねるものがあった。