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Classici giapponesi con furigana

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『せっかずせつ』のけんきゅう

中谷宇吉郎集 第二巻

中谷 宇吉郎

Leggi 中谷宇吉郎集 第二巻 (『せっかずせつ』のけんきゅう) di 中谷 宇吉郎 (なかやうきちろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 83.098 caratteri · 172 schermate

Aozora Bunko

「幼児の瞳をのぞいたような感じというのはこんな色をいうのでしょうね」とN氏もその色が好きであった。良い墨で書いた字は筆力が紙背に徹するといわれているのもN氏の解釈によると、墨色が透明な感じを与えることを指しているのだろうというのであった。その解釈も面白かった。

ところでこのような墨色の差が墨のどういう性質に帰因するかという問題、それは誠に大変な問題なのであるが、それにN氏は正直に真正面からとっかかったのだそうである。第一に墨汁中の墨の粒子の大きさに関係があるのだろうという見込みで、医大の某教授に頼んで顕微鏡を使わせて貰うことにしたのだそうである。毎日墨と硯とを持って研究室へ通うということは、さて実行するとなるとなかなか億劫なことだったろうと思う。それでもN氏は大分根気よく顕微鏡を覗き続けたという話であった。勿論墨の粒子の形が顕微鏡で見える筈もないので、この研究は何の結論も得られなかった。「どうも粒と粒との連り工合が少し違うようでしたが」とN氏は毛氈の上にきちんと坐って、目をしばたたきながら首をかしげるのであった。

墨は東洋三千年の文化と切り離し得ぬものであるともいえよう。