Classici giapponesi con furigana
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にじゅうしのひとみ
二十四の瞳
壺井 栄
Leggi 二十四の瞳 (にじゅうしのひとみ) di 壺井 栄 (つぼいさかえ) in giapponese con furigana. JLPT N3. Tocca una parola per il significato.
N3 · intermedio · kanji e kana moderni · 113.429 caratteri · 227 schermate
「あら、どうも失礼しました。思いちがいしましたの」
これが以前だったら、女先生は見舞いを催促したといわれるところだったろう。行きすぎると子どもたちが笑いだし、その中の男の子が、
「先生、清六さん家は、人にものやったためしがないのに。もらうだけじゃ。山へ仕事に行とってしょうべんしとうなったら、どんな遠うても、わが家の畑までしにいく人じゃもん」
わあとみんなが笑った。その話はまえにもいちど聞いたことがあった。四年生にいるその息子が、組でひとりだけ、どうしても音楽帳をもってこなかった、そのときである。いつも忘れてくるのかと思ってただすと、泣きそうになってうつむいた。するとならんでいた生徒が、かわって答えた。
「歌をなろうても銭もうけのたしにはならんいうて、買うてくれんのじゃ」
つぎの唱歌のとき、清一というその子に音楽帳をやると、うれしそうに受けとったことを思いだした。彼は、教科書まで全部、他人の使い古しをもらっていた。しかも村で二番目のしんしょ持ちだというのだ。そこに清一のいないことで、ほっとしている先生へ、
「せんせ足、まだ痛いん?」
まっさきにきいたのは仁太である。